読書日録
マンゾーニ「いいなづけ 17世紀イタリアの物語」をこのあいだからぼちぼち読み続けて、中巻の半ば過ぎまで読み進んだ。
丸谷才一が激賞している通り、風景描写は美しいし、人物も巧みに活写されて、当時の社会の雰囲気が伝わってきて文句のつけようがないんだけど、読者に親切過ぎる感も否めない。どんなことでもきっちり説明してくれるから謎がなくてこっちを引っ張ってくれない。その分読むペースが落ちている。まあ、これは現代のすれっからしな読者の反応だけどね。
新しい主要人物が登場すると、一旦話の流れを止めてその人物の過去話をするんだけど、こういうところ現在の長編連載漫画を思わせる。ストーリーテリングの王道といったところか。


マンゾーニをまったり読んでいる間に、後から読み始めた呉智英「現代人の論語」を本日読了。これは良い本。奇を衒わず、テキストに真剣に向き合うことでそんじょそこらの「独創的な解釈」などよりもずっと刺激的な孔子像を描いてみせる。まっとうな読みの力を実感させてくれる一冊だった。「論語」を読み返したくなった。

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